一〇八(仮)

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ライトノベル作家川口士のブログです。「魔弾の王と戦姫」18巻、11月25日発売です。よろしくお願いします。

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まあまたちょっと真面目な話

 やつらはまだ滅び去っていなかった!

 今年の2月ごろの話になりますが……非実在青少年とかいう単語を覚えてます?

 青少年育成条例の改正案という「俺の嫌いなものはこの世から消えてなくなればいいんじゃい」を形にしたようなものが都議会に提出され、反対にあって否決された件です。
 アニメ、漫画を狙い撃ちにした創作物規制ですね。


 これが中身を書き換えて今月末に再提出されるとかで。
 まあ、こういうのはお互いに譲り合いながら話を刷り合わせていくものなわけで、よりマシな方向へ進めるなら……。


 修正案では、批判が相次いだ「非実在青少年」という文言を削除。その上で、条例の対象を定義する第7条に追加するものを以下のように定義した。

漫画、アニメーションその他の画像(実写を除く)で、刑罰法規に触れる性交もしくは性交類似行為または婚姻を禁止されている近親者間における性交もしくは性交類似行為を、不当に賛美しまたは誇張するように、描写しまたは表現することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を妨げ、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの
 [ITmediaより引用]


 ……悪化しとる。

「実写を除く」という時点で、大元の目的である青少年の健全な成長にはまったく効果が見込めない。
 まさか、青少年は漫画やアニメばかり見ていて実写にはまるで興味を示さないわけじゃないでしょうに。

 それから、性交もしくは性類似行為を「不当に賛美し、または誇張するように、描写しまたは表現する」っていうのも相変わらず曖昧です。
「不当に賛美云々」は誰がどんな基準で判断するんだ。手塚治虫の火の鳥とか読んだことないのか。

 今回は年齢制限(前回は18歳未満という表記があった)がなくなっているのも問題です。


 この手の話はどうしても「反対する人は破廉恥ですわ」みたいに思われがちで、提出側もだからこそ、こういう方向から攻めてきてるんでしょうが。
 これは、そういう心理を利用したファシズムです。

 提出側が真剣に青少年の育成について考えているとはとうてい思えません。真剣に考えるなら、このような内容になりえるはずがないからです。
 漫画やアニメにある種の影響力はあるでしょう。
 しかし、それは親の躾や公の教育をすら超越するものでしょうか。このような条例を出さなければならないものでしょうか。
 青少年の健全な育成とは、特定のジャンルを根絶しなければ為し得ないものなのでしょうか。

 まあようするに僕は変わらず反対なわけです。実写を除くって時点で内心が透けて見えるしねー。

 前回と同じ結びになりますが、もし危機感を覚えた方がいらっしゃったら、反対の意思を表明してくださると嬉しいです。
by tsukasa-kawa | 2010-11-28 04:44 | 日常雑記