一〇八(仮)

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ライトノベル作家川口士のブログです

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9月6日のお話

 ネタが滑ったり派手に失敗したりして場を凍らせてしまったことのあるやつはおるかー。ここにおるぞー。
 具体的な話になると自虐風に語ってみてもしんどくなるので、さっさと本題に入りましょう。あ、今日の東京は湿っぽかったですね。夏以前に戻ったかのようでした。
 合いの手のつもりで天気について大雑把に語ったところで、こぶとり爺さんです。例によってバージョン違いがわんさかありますので、まずは基本的な認識の共有とまいりましょうか。

 あるところに、顔にこぶのある爺さんが二人いる。こぶがあっても陽気でほがらかな正直爺さんと、いつも誰かにやつあたりしている意地悪爺さんである。
 ある日、正直爺さんが山の中に入ると、鬼が宴会をしているところに遭遇する。楽しそうに見えたので、爺さんは飛び入り参加して踊り、鬼たちに大ウケ。「最高にクールだったぜ、ジジイ。また来いよ。それまでおまえのこぶは預かっておく」と、鬼たちにこぶをとられる。
 村に帰ってきた爺さんはそのことを話す。それを聞いた意地悪爺さんは山の中へ行き、宴会をしている鬼たちを見つける。
 爺さんは飛び入り参加するも、踊りが下手で鬼たちはおおいに白ける(本当は踊りが上手いが、緊張してガチガチになったという話もある)。「おまえ、もう来なくていいわ。こいつは返してやるよ」と、鬼たちにこぶを押しつけられる。

 バージョン違いは数あれど、最初に正直だの意地悪だの爺さんたちの人柄を紹介するところはほとんど共通しています。
 そして、それが話にまったく関係ないところも共通しています。「おまえ、性格悪いから認めないわ」とは、鬼たちは言いません。まあ神でも仏でもなく鬼なのですから善悪を云々するわけもないのですが。
 単純に技量または度胸が足りなかったというか、場を盛りあげる才能がなかったために、意地悪爺さんはこぶを押しつけられてしまったのです。何とも現実的ですね。意地悪爺さんがその状況を打開するには、鬼たちの反応を早い段階でつかみ、彼らが喜ぶようなアクションか、でなければこれなら得意というものに切り替えるべきだったのでしょう。正面から誠実に頼みこめば……いや、これは「こぶ取ってほしいんだ? じゃあ何か面白いことしてみて」と言われるパターンやろな……。
 バージョンによっては、この出来事によって意地悪爺さんは逆に奮起し、仕事に精を出して一財産築くというものもあるようですが、やはり何らかの形で救いはほしいものです。



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by tsukasa-kawa | 2017-09-06 21:00 | 日常雑記