一〇八(仮)

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ライトノベル作家川口士のブログです

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9月7日のお話

 うちの近所にはお地蔵様がいるんですけども、正直に申しあげて夜に見るのはめっちゃ怖いです。しかもお寺の中なので、明かりに照らされていまして、角度によっては光と闇のコントラストがね……。怖さを増幅するんですよ。
 そんな僕のご近所話をしたところで笠地蔵です。善いことをすれば報われる昔話の代表例ともいえる有名な作品ですね。最近ことあるごとにあらすじをうだうだ話していましたが、これについてはそこまでしなくていいだろうというほどにシンプルなお話です。

 ところで、このお地蔵さんたち。どれぐらいの力の持ち主なんでしょうか。お地蔵さんは地蔵菩薩なわけで、まあ仏力みたいなものがそうとうあるんだと思われます。
 このお話においては、自由に動きまわり、米や酒や野菜を自由に生みだすというキリストみたいな力を発揮します。
 言葉を発しないのは、さすがに喋ることができないのか、それともハードボイルドを気取っているのかはわかりません。とりあえずどのバージョンでもお爺さんたちはお地蔵様の背中を見ているので「善行は(お爺さんが笠をかぶせたように)見えないようにやっても、恩返しはわかるようにやれ」と訴えているのは間違いなさそうです。
 そう、背中を見ているのです。
 お地蔵さんたちは、歩いてお爺さんの家までやってきて、歩いて帰っていったのです。真夜中に。
 夜中に通りを歩いていて、暗がりの向こうからお地蔵さんが集団で歩いてきたら、まあ悲鳴をあげますね。二宮金次郎像じゃないけどオカルト案件でしょう。この界隈に怪しい呪術師とかがいたら、最悪の場合、よくないものに憑かれたとか言いがかりをつけられ、お地蔵さん打ち壊しの危機です。
 あるいはお地蔵さんたちはそこまで考えて、あえて自分たちの姿をお爺さんに見せることで、他の人間には上手く言っておけと伝えたのかもしれません。



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by tsukasa-kawa | 2017-09-07 21:53 | 日常雑記