一〇八(仮)

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ライトノベル作家川口士のブログです。「魔弾の王と戦姫」18巻、それから片桐雛太さんの魔弾画集、11月25日発売です。よろしくお願いします。

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10月23日のお話

 パーティをやることにしたけど食器が足りない! どうする?
 バイキング形式にすると答えたあなたは「信長のシェフ」派。
 招待客を減らすと答えたあなたは「いばら姫」派でございます。

 そういうわけで「いばら姫」です。「眠り姫」「眠れる森の美女」などのタイトルでご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 一枚の皿をケチったあまりに大惨事を引き起こすと書くと、何か違う話のように思えるかもしれませんが、まあそういう話なんですよね。
 おおまかに説明しますと、ある国の王と王妃の間に娘が生まれる。お祝いをするために13人の魔女を招待しようとするが、特別な黄金の皿が12枚しかなかったので12人しか呼ばないことにする。呼ばれなかった魔女が姫に呪いをかける。そういう話なわけでして。

 いや、皿つくれやとしか言いようがない。この魔女たち、ただ招待されたわけじゃなく、姫に加護を与えるべく来ているわけですよ。皿をケチって加護をひとつ減らすって、本当に姫のことを考えていたんでしょうか、この王様。それとも特別な皿なので作るのがかなり大がかりだったとか、そういうことなんだろうか。
 この王様は、あまりよくない人物として書かれています。姫が「つむ(糸を紡ぐための道具。紡錘)に刺されて死ぬ」という呪いを受けたあとにやったことというと、糸つむぎ機を残らず燃やすことなんですよね。魔女に謝るとかすれば、また話は違ったのかもしれませんが、自分の過ちを認めません。
 そして、姫が眠ってしまうと、呪いの余波とでもいうべきもので眠ってしまうわけです。

 さて、100年が過ぎて、姫は王子と結婚できてめでたしめでたしで、よしとしましょう。実際、姫に罪があるかというと、とばっちりですからね。
 ですが、王様は違います。事情を知った者からは「皿一枚をケチったがために、このような事態を招いた王」と認識されてしまうのです。また、100年の間に大きく変わっただろう近隣諸国ともつきあっていかなければなりません。
 100年間眠る、という形に変更された呪いは、実は王様に向けたものだったのかもしれません。



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by tsukasa-kawa | 2017-10-23 23:59 | 日常雑記