一〇八(仮)

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ライトノベル作家川口士のブログです。「魔弾の王と戦姫」18巻、それから片桐雛太さんの魔弾画集、11月25日発売です。よろしくお願いします。

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新刊紹介・他

 東京も明日ぐらいまでは暖かいようですが、週末はまた台風のおかげで雨になりそうですね。僕はすでに風邪をひいていますが、皆様はお気をつけください。
 ところで、昨日はMF文庫Jの発売日なのでした。
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細音啓   なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?2

 改変された世界にただひとり置き去りとなったカイの冒険の物語。順調に2巻目です。興味を持たれたら是非。

 さて、落とし物を拾ってもらった、というぐらいの経験は誰にでもあると思います。交番に届けられるものだと、財布や携帯電話、傘、鍵などが多いそうですが、このあたりが落としやすいものなのでしょう。僕も、いつだったか駅を歩いていたとき、財布を落としたひとを見て、拾って渡したことがあります。
 あなたが財布を落とし、誰かに拾ってもらったとして。
「あなたが落としたのはこの(何かすごいブランドものの)財布ですか?」とか聞かれたら、どう思いますか。僕なら逃げるね、うん。何かたくらんでそうなんだもの。
 という前振りをしたところで「金の斧と銀の斧」です。有名なのであらすじは割愛しますが、まあ正直者が報われて、嘘つきは痛い目を見るという話らしいです。
 しかし、いくら神(原典だとヘルメス神)とはいえ、とりあえず欲を煽って誠実さを試そうというのはいかがなものでしょうか。まあギリシャ神話の神様って割とそんなのばっかだけど。それに、斧が落ちる過程については考慮されていないのも気になります。
 うっかり落とそうが、わざと落とそうが、神様は出てくるのです。つまり、神に対して敬意を抱いていようと、そうでなかろうと、そのときだけ誠実でさえあればよいのだ、ということになりかねません。まあその方がギリシャ神話らしいけど。
 だとすると、世の中には理不尽にひとの欲望を煽る何かがいるのだ、ということも、この物語の伝えたいことかもしれません。


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by tsukasa-kawa | 2017-10-26 23:59 | 新刊紹介