一〇八(仮)

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ライトノベル作家川口士のブログです。「魔弾の王と戦姫」18巻、11月25日発売です。よろしくお願いします。

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2017年 08月 28日 ( 1 )

8月28日のお話

 生まれ変わりですよ。怪談では割とおなじみでして、今回例に挙げたものは、ある夫婦の間に醜い子が生まれたので、崖から捨てる→その後、夫婦は第二子を授かる。その子は可愛らしい子→旅行で、かつて第一子を捨てた崖のそばに来る→子供が「今度は捨てないでね」と言う……というものです。
 筋立て自体は昔からあるもので、夏目漱石の夢十夜にも似たようなお話があったと思います。「お前が俺を殺したのは、今からちょうど百年前だね」だったかな。

 子供からしてみればどうしても一言言ってやりたかったのでしょうし、その気持ちもわかります。しかし、聞き手を驚かせ、怖がらせて終わりな怪談ならともかく、その先も続くとしたらどうでしょうか。親は子供に対して「何をどこまで知っている」と疑い、子供は子供で「また殺すつもりじゃないだろうな」と警戒し、一家の団欒どころではありません。
 生まれ変わりのメリットというのは「生まれ変わる前の知識や経験を持っている」ことですが、生まれてすぐ殺された身ではそれも望めません。ジョジョ4部よろしく「パパと一緒にお風呂に入ろうか」とか言われて無防備な状態で一対一を強いられたらアウトです。生まれ変わる間に何かしら特殊能力に目覚めるかでもしなければ、すぐにやられてしまい「また来たの。早かったね」などと三途の川の渡し守に言われかねないのです。

 とはいえ、黙っていても子供の方は事実を知っているわけで「何かの拍子に殺しにかかってくるかもしれない」と思えば、ストレスがたまる生活になるのは間違いありません。復讐してやるという決意と覚悟を持つなら(そうなるとサスペンスですね)ともかく、そうでないのなら、やはり、まったく関係ない家庭に生まれ変わるのがベターなのでしょう。なに、今ならハガキでもネットでも告発はできるって。



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by tsukasa-kawa | 2017-08-28 19:15 | 日常雑記