一〇八(仮)

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ライトノベル作家川口士のブログです。「魔弾の王と戦姫」18巻、それから片桐雛太さんの魔弾画集、11月25日発売です。よろしくお願いします。

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2017年 11月 07日 ( 1 )

新刊告知・他

 やっほい、十何日かぶりー!(いけしゃあしゃあと
 原稿とかあってしばらく更新を中断していましたが、その間に見に来てくださった方はごめんなさい。10月分を残しまくっている間に11月も一週目が終わってしまっていて愕然としていますが、ぼちぼち再開します。
 まずは新刊のご紹介をさせてください。
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 お待たせしました。拙著「魔弾の王と戦姫」18巻。今月25日(土)発売となります。最終巻です。
 2011年4月に1巻を出したときは、ここまで長く続くシリーズになるとは思っていませんでした(そもそもシリーズになるかどうかさえわからなかったので1巻に1ってついてないし)。最後まで書ききることができたのも、みなさんの応援のおかげです。本当にありがとうございます。
 語りたいことはたくさんあるのですが、それは発売後にとっておくとして、もうひとつご紹介を。
『魔弾』の9巻からイラストを手がけてくださった片桐雛太さんの画集が同じく25日に発売します。
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 文庫に収録されていたイラスト群はもちろん、書き下ろしやイベント冊子に描いていただいたイラストなども収録されています。詳細はこちらを。
 原作者というおいしい立場から、すでに中を見せてもらっていますが、片桐さんのコメントもあり、見応えのある一冊に仕上がっていると思います。ちなみに、短編小説を一本、寄稿させていただいています。本編の後日談となるものですね。興味を持たれたらぜひ。

 さて、紹介を終えたところで、ペローまたはグリムより『青ひげ』です。
 三人の兄を持つ娘が「青ひげ」と呼ばれる大金持ちの男に求婚されるところから物語ははじまります。青ひげには、妻にした女性がたびたび行方不明になっているというあからさまにいやな噂があるのですが、彼の熱意に根負けして、娘の父は求婚を承諾してしまうのですね。
 青ひげが大金持ちであるのは本当で、新婚生活は不自由なく順調だったのですが、ある日、青ひげが「何日か留守にするので鍵を預ける。屋敷の中であればどこを見てもいい。ただし、ある部屋だけは開けてはいけない」と言って出かけるのです。
 もちろん娘は好奇心に負けてその部屋を見てしまうのですが、部屋の中には青ひげの妻だった女性の死体があったのです。驚いた拍子に娘は鍵を落としてしまい、鍵には死体の血がついて洗っても落とせず、その血がもとで、帰ってきた青ひげに言いつけを破ったことを見抜かれ、あわや殺されかけるのですが、そこへ駆けつけた兄たちに助けられ、青ひげは死亡し、娘は助かるのでした……。

 好奇心に負けてえらい目にあうという話は、古くからいろいろなものがあります。日本昔話ですと鶴の恩返しなどがそうですね。
「青ひげ」もそれらに漏れず、娘に対してあからさまに好奇心を煽っています。鍵を渡し、見てはいけないと言い、留守にする。鍵を渡されなければ、あるいは見るなと言われなければ、娘はそれほど気にしなかったのではないでしょうか。
 もっとも、これについては「娘が自分の言いつけを守ってくれるか見極めようとした」と見るか「言いつけを破ると見込んで積極的にお膳立てをした」と見るかで見方は変わってくると思います。金持ちは疑い深いから試したがるんですよねえ(思いこみです。
 それにしても不可解なのは娘の行動です。先妻(ということでいいんでしょう)の死体が見つかった時点で、もうなりふりかまわず逃げていいところですよ、この屋敷。季節とか先妻が行方不明になった時期とか書かれてないけど、新婚生活期間も考えればあきらかに腐ってるじゃん。ぶっちゃけ部屋を開けなくても腐敗臭でなんとなくわかりそうじゃない。部屋中に備長炭スメルの脱臭剤でもまかれていたんでしょうか。
 その点を考えると、好奇心に負けるとえらい目にあう、のではなく、危険を承知していながらぐずぐずしているとえらい目にあう、という、別の意味で現実的な教訓を、このお話は伝えている気がします。



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by tsukasa-kawa | 2017-11-07 23:59 | 新刊紹介