八行日記

 童話にはしばしば理不尽な展開がある。
 赤ずきんを読んだときの感想は、なんで狼はこんな回りくどいことをしたんだろう、だった。
 赤ずきんに会って話を聞いたらその場でぺろり、それからお婆さんのところへ行って「お婆ちゃん。オレだよオレオレ、赤ずきん」でお婆さんもぺろりで解決じゃないか。
 なぜわざわざ狼は赤ずきんに不意打ちをしかけたのか? そもそもお母さんはどうして狼が出るような森に赤ずきんを単独で向かわせたのか? それらを説明できる設定となると……

 赤ずきんは馬鹿だが、狼でさえゼロ距離で不意打ちをしないと食べられないほど強かった。

 見破られたらやられる……! というギリギリの攻防だったと考えると燃える話だ、赤ずきん。


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by tsukasa-kawa | 2010-01-15 18:57 | 日常雑記

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