8月16日のお話

 さとるくん。接触方法が「公衆電話から自分の携帯電話にかける」というものなので、比較的新しい(といっても生まれてから10年以上は過ぎているのだけど)怪談ですね。公衆電話が関わる怪談というのはさがしてみると割とあるのですが、そこに携帯電話を組み合わせたあたり、さとるくんはなかなか手の込んだ方法を考えたものだと思うのですよ。
 ですが、NTTが発表しているように公衆電話は年々減っており(インフラとして、また緊急時に必要な台数は残すらしいですが)、実際に接触するとなると、まず最寄りの公衆電話からさがさなければならず、意外にハードルは高いかもしれません。せっかく見つけても故障していたり、近所のおじいちゃんおばあちゃんが使っているとかありそうだし。
 携帯電話もいずれスマホに取って代わられるかもしれませんが、そうなったら公衆電話とスマホを使うように内容が変わるのか。それとも、そうした接触方法を持つ新たな怪談が出てくるのか、気になるところです。しかしインフラに頼るタイプの怪談は、後々まで残るタイプのインフラに頼らないといずれ存在が忘れ去られるなとあらためて思った次第でした。それを考えると、学校のトイレを媒介にしたり、紙を媒介にするタイプの怪談の力強さがわかりますね。


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by tsukasa-kawa | 2017-08-16 12:12 | 日常雑記

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