一〇八(仮)

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ライトノベル作家川口士のブログです。「魔弾の王と凍漣の雪姫」9月21日発売となります。よろしくお願いします。

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12月18日のお話

 なんとなく気が乗らないのでブログの更新をずるずるさぼっていたら、いつのまにやら12月ももう後半ですよ。新年が迫ってますよ。クリスマス? おもにフライドチキンを売っているお店に行列ができる日のことですね。僕が以前住んでいたところではそうでした。小さいころはいつかお金持ちになったらバレルで買って一人で一気食いしてやるんだなどと思ったこともありましたが、いまはまあ一食において二つも食べれば割と充分だよね。ぎりぎり挑戦できる年齢のうちに挑むべきなんだろうか、ううむ。

 そんな鶏肉談義はさておいて、どうにか前回までに10月の宿題は終えたので、11月にちょこっとやったあれこれをすませなければなりません。年内に(間に合うかな?
 本日は「スイミー」。作者はレオ・レオニ。富野作品かな?(失礼だねキミは  ではまいりましょうか。

 スイミーは全身が真っ黒い小さな魚。たくさんいる兄弟たちは、みな赤い。
 ある日、大きなマグロが現れて、兄弟たちをみな食べてしまう。スイミーだけが逃げきった。
 あてどもなく海をさまよっていたスイミーは、兄弟にそっくりな赤い魚の群れを見つけて遊ぼうと呼びかける。
 しかし、彼らはマグロを恐れて岩陰から出てこない。
 そこでスイミーは、マグロを追い払うべく、大きな魚に偽装することを提案する。黒い自分が目になると言って。
 はたしてマグロはだまされ、去っていきました。めでたしめでたし。

 僕は昔から本を読むのが好きだったのですが、そのせいか国語の教科書を読むのはそれほど苦じゃなかったんですよね。落書きはもちろんたくさんしましたが。とりあえず髭生やすよね。あと目。川端康成とか目を凶悪にするだけで悪の老魔道師っぽくなってさあ……。脱線しました。
 しかし教科書に載っていなければ読まなかったような作品というのは、40を目前にした年になって振り返ってみると山のようにあるのですが、スイミーなんかはその筆頭だと思うのですよね。だって外国の絵本だもんよ。で、本編ですが。

 大きいことはいいことだ。えっへん。
 しかし、魚って色を識別できるのかいなという疑問がありますが、おそらく自己防衛のためにカラフルな鱗を持つ個体がいる以上、そのへんの識別はできるのでしょう。では厚みについてはどうか。いくら自分より大きくても、平たい魚ではものともしないのではないでしょうか。
 スイミーたちが化けた魚の厚みは、とくに言及されていません。しかし、マグロは逃げていきました。充分な厚みがあったのか。それとも他に理由があったのか。
 気になるのはスイミーの役目です。この子は小さな魚と書かれています。たとえ化けた魚が薄っぺらかったともしても、両目の役目を果たせるとは思えません。また、左右に動きまわっていては仲間たちが混乱してしまうかもしれず、下手をすれば一網打尽に食われてしまいます。
 となれば、右か左に自分のポジションを固定し、隻眼となってマグロを威圧したのではないでしょうか。スイミーにとって、マグロは兄弟たちの仇でもあります。そうとうな眼力となったでしょう。
 そう考えると「スイミー」は団結力の尊さや、まわりと違うことも考え次第で活かせるんだ、ということを伝えるお話ではなく、敵を圧倒するのは決意であり凄みであるということを伝えるお話なのかもしれません。



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by tsukasa-kawa | 2017-12-18 23:59 | 日常雑記